夏の高速で、出発時は余裕があったのに、休憩前には残量の減り方が急に早く見えることがあります。EV(電気自動車)は冷房だけでなく、高速巡航の速度、荷物、暑さで増える電池の冷却負荷が重なると、表示より早く航続距離が縮みやすくなります。対策の中心は、冷房を我慢することではなく、速度と充電の組み立て方を少し変えることです。
効くのは冷房より速度
夏はエアコンに目が向きがちですが、高速では空気抵抗の増え方のほうが影響しやすい場面があります。少しの速度差でも消費電力は増えやすく、追い越し後に高めの巡航を続けるだけで、次の充電までの余裕が削られます。
さらに、家族分の荷物や向かい風が重なると差は広がります。屋根上のボックスや空のキャリアでも、高速では消費が1割前後増えることがあり、少し巡航を抑えたほうが、充電回数と待ち時間を減らせて結果的に移動が楽になることもあります。
暑さで充電も伸びる
見落としやすいのが、真夏は走行中だけでなく充電中も電池を冷やす電力が必要になることです。連続して高速走行した直後や炎天下の駐車後は、急速充電の入り方が鈍くなり、思ったより滞在が長びくことがあります。
ここで効く実用策は、最初の充電を我慢しすぎないことです。残量をかなり減らすまで引っ張るより、少し早めに1回入れ、その後は低めの残量から7〜8割前後まで刻むほうが、合計時間を抑えやすい傾向があります。対応車なら、充電器をナビに入れて電池の温度調整を使うのも有効です。
満充電の置き方に注意
旅先での安心感から満充電にしたくなりますが、真夏の炎天下で100%近い状態を長く保つのは、電池にはやさしい使い方とは言えません。必要な区間だけ多めに入れ、到着時刻に合わせて充電を終える、駐車はできるだけ日陰を選ぶ。この2つだけでも、夏の負担は減らせます。
出発前はタイヤ空気圧、荷物の量、充電候補の間隔をざっと確認し、できれば電源につないだまま車内を冷やしておくのがコツです。走り出したら残量そのものより消費ペースを見て、速度と充電の欲張りを抑えるほうが、夏のEV長距離は結果的に安心して走れます。